私の旦那様は天然韓国人⑥ みかん




韓国でもみかんは冬の風物詩であって、私の旦那さんの好物でもある。

この日も、夕食を終えたあと、ソファーに座って、私はパソコンで仕事をし、彼はテレビで映画を観ながらみかんを食べていた。

すると彼が、みかんを一粒ずつくれた。

「うん、甘くて美味しいね」。

そう言いながら目線はパソコンに集中していた私。

何度かみかんを私の口に運んでくれることが続いたとき、
“あ、またくれそう”、と、口だけ開けて待っていると、

か、固いッ!

みかんの皮を入れられたのだった!

「ワハハハハハ。おもしろ〜い! ごめんなさ〜いよ〜!」と、ニュアンスのおかしな片言の日本語で言ってきたので、世にも冷たい目線を返しておいた。

「はい!」と言われて改めて見ると、みかんの実がちゃんとあった。

それをしっかり確認してから口を開けて、パクッっとすると、次は彼の指だった! みかんをさっと手の中に隠したったのだ。

「ワ〜ハハハハハハハハハ!!!!!!!」

今日一の高々とした笑い声が聞こえた。

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